CentOS終了のお知らせ??

私は仕事でCentOSをよく使っています。
汎用系でも商用UNIX(HP-UXやAIX)はもはやコストが高すぎて、ダウンサイジング(今でもいうのかな?)先に一番最初に候補と上がるのがRHEL(RedhatEnterPriseLinux)です。
安定稼働・信頼感群で、企業のバックエンドシステムのサーバOSのシェアで大きな割合をRHELを持っていると思います。

ただ、その企業のシステム開発の現場では検証環境や開発環境は予算を抑えるために無料のCentOSを使用するケースが多いと思います。そりゃそうですよね。CentOSはRHELのほぼクローンであり、システムインフラに詳しいメンバーがいてだいたいのことはRHELと同じで解決してくれるし、わざわざ高いお金を払って開発用途にRHELを使うわけもなく。

RHELの特徴として企業のシステムのライフサイクルに応えるべく、長い期間のサポート(最大10年)を売りにしています。その都合上、とにかくOSを構成しているコンポーネントが新しくないんです。Web系システムのサーバOSとして代表されるUbuntuを始めとした最新技術に対応できるOSに比べてしまうと、Kernelはもちろんのこと周辺のパッケージも2-3世代以上古いものを使っています。安定性を考えたら当たり前な思想なんですけど。もちろんそのクローンのCentOSも古いのです。

話を戻して、このニュースを見たときに衝撃を覚えました。

The future of the CentOS Project is CentOS Stream, and over the next year we’ll be shifting focus from CentOS Linux, the rebuild of Red Hat Enterprise Linux (RHEL), to CentOS Stream, which tracks just ahead of a current RHEL release. CentOS Linux 8, as a rebuild of RHEL 8, will end at the end of 2021. CentOS Stream continues after that date, serving as the upstream (development) branch of Red Hat Enterprise Linux.

https://blog.centos.org/2020/12/future-is-centos-stream/

CentOSの最新バージョンであるCentOS8が2021年一杯で終了??
一つ前のバージョンのCentOS 7はRHELのEOSまで(8より7のほうがサポート長い??)

CentOS Streamってなんだろう

RHELを取り巻くLinuxプロダクトにはいくつかのLinuxディストリビューションがあります。
下に簡単にまとめましたが、CentOS StreamはRHELのプレリリース版のような認識で良いと思います。

fedoraRHELに適用する未来のテクノロジーを先行的に取り入れて、とにかく新しいOSSを積極的に採用しているディストリビューション。安定性にかける難あり。
CentOS StreamRHELのマイナーリリース前のプレリリース版的な扱い。RHELの安定性もありながら、RHELより少し新しいテクノロジーを入れているディストリビューション
Redhat EnterPrise LinuxRedhatの主力製品。主にサーバOSとして利用され、安定性、サポートともに素晴らしいディストリビューション。
CentOSRHELのほぼクローン。
ほぼというのは、RHELからRedhatなどのライセンスに抵触する商用コードを取り除き、再構築したディストリビューション。とはいえアプリケーション開発者が使っている限りでは一緒。

乗り換える必要性あり?

RHELをベースとしたLinuxディストリビューションはCentOSの他にも、OracleLinuxがあります。CentOS同様に無償提供していたScientificLinuxは昨年開発終了してしまいました。無償で自由にと言われるとCentOSしかないんですよね。
OracleLinuxはRedhatより商売上手のOracle製なので、無償ではないですし、OracleDBやWebLogicを使わない場合にあえて選ぶことはないかなと個人的には思ったりします。Oracle製品をサーバ上で動かす場合はそれらが最適に動くようにカスタマイズされているので、嬉しいところはきっとたくさんあります。

発表されたばかりですが、上記のようにCentOSの開発がCentOS Streamに統合されたとした場合に、RHELクローンではなくなるかもしれませんが、CentOS自体がなくなるわけではないと考えています。
ポジティブに考えたら、CentOSのほうが少し新しいという考え方もできると思います。ただ、私のようなRHELのクローンという特徴にCentOSのを利用しているユーザも一定数いるわけで、そのあたりはこれからの周囲の動きを見ていく必要があると思いますので、しばらくは様子見ですかね。

etc,Linux,RHEL系

Posted by Qtaro